ベンチャーで活躍できる人材とは?大手との違いやベンチャーの特徴を徹底解説

人材・教育

ベンチャー企業で働くことに、どんなイメージをお持ちですか?
スピード感がある、若手が活躍できる、給料は安定しない、など皆さんなんとなくのイメージはお持ちかと思います。

しかし、ベンチャー企業という言葉は広く使われており、いざ「定義は?」「どんな企業があてはまるの?」「どんな人が向いてる?」と聞かれると困ってしまう方も多いのではないでしょうか。

ベンチャー企業で働くことには、若いうちから活躍できること以外にも多くのメリットがあります。
ここではベンチャー企業の意味、具体例、向いている人の特徴、働くことのメリット、さらには、ベンチャー企業志望者のためのオススメ求人メディアなどを一挙ご紹介します。
これを読めばベンチャー企業とは何か、誰かに説明したくなってしまいますよ。

1.ベンチャー企業の定義とは?
2.ベンチャー企業の特徴
2-1.ベンチャー企業の特色とは?
2−2.ベンチャー企業の具体例
3.ベンチャー企業に向いている人材の特徴
3-1.ベンチャー企業に向いている人は?
3-2.ベンチャー企業に向かない人とは?よくある勘違い
3-3.ベンチャー企業を選択した時のメリット
3-4.ベンチャー企業に就職するには?
4.まとめ

1.ベンチャー企業の定義とは?

デジタル大辞泉によると、ベンチャー企業とは「新技術・新事業を開発し、事業として発足させた中小企業」の意味です。メディアなどでベンチャー企業という言葉が使われている時は、「創業したばかりで急成長中の企業」といった意味合いが強いようです。

また「ベンチャー企業=創業したばかりの上場を目指す企業」という捉え方もありますが、最近では、評価額が10億ドル(約1250億円)以上なのに、あえて非上場のベンチャー企業である「ユニコーン企業」も登場しています。このような状況を見ると、ベンチャー企業の意味は多様化し広義になっています。

ベンチャー企業と似た言葉としては「スタートアップ企業」があります。日本でのスタートアップ企業は、設立間もない会社というニュアンスで使われることが多いですが、海外では「イノベーションにより世の中を変える会社」の意味です。ちなみにベンチャー企業という言葉は、日本だけで通用する和製英語です。 日本で言うところのベンチャー企業と、海外のスタートアップ企業は、近い意味合いのようです。

2.ベンチャー企業の特徴

ベンチャー企業のことを深く理解していただくために、ベンチャー企業の特色と具体例を解説します。

2-1.ベンチャー企業の特色とは?

ここまで解説してきた通り、ベンチャー企業という言葉に厳密な定義はなく、広い意味合いで使われています。ユニコーン企業のように規模が大きくなってもベンチャー企業であり続けるケースもあることから、規模や創業年などの要素よりも、次に挙げる特色を持っている会社が「ベンチャー企業らしいベンチャー企業」だと言えます。

・創業経営者の独自の発想力とカリスマ性

ベンチャー企業の最大の特徴は、創業経営者が従来の常識にとらわれない「独自の発想・感性」を持っていることです。しかし、アイデアだけでは革新・革命は起こせません。新たなビジネスモデルを短期間で実現する圧倒的な「行動力・推進力」も必須です。 併せて、社内外の数多くの人々を巻き込むための「カリスマ性」なども必須条件と言えるでしょう。

・若手社員の裁量権の大きさ

大手企業での仕事の裁量権(業務上で重要なジャッジ)は課長以上の管理職に集中していますが、ベンチャー企業では若手社員にもジャッジする権利が与えられています。これにより、上司に許可をとったり根回しをしたりする手間がカットでき、スピード感のある経営が可能になります。このスピード感こそ、ベンチャー企業の成長エンジンです。

・革新的なビジネスモデル

これまで世の中になかった(あるいは、国内ではなかった)ビジネスモデルを実現する会社という要素は、ベンチャー企業から外せません。まだ未開拓の分野だからこそ競合が少なく、先行者利益を手にできます。

・個性を生かして自由に働ける雰囲気

創業からの年数が経っていないベンチャー企業の場合、職場環境が末整備なことが多いです。そのため従業員にとっては、組織体系や福利厚生の仕組みが充実していないデメリットがありますが、この環境は「ルールに縛られたくないタイプ」の人材にとっては心地良いというメリットになります。具体的には、服装がスーツでなくても良い、忙しい時は長時間勤務だが閑散期は自由に休めるなどの自由度があります。

2−2.ベンチャー企業の具体例


2-1で解説してきたベンチャー企業の特色を体現する“ベンチャー企業らしいベンチャー企業”をいくつかご紹介します。

◆永遠のベンチャー企業「ソフトバンクグループ

多くのベンチャー企業が過去の成功パターンにこだわり輝きを失いますが、ソフトバンクは規模が巨大になっても時代に合ったコアビジネスを開拓することで“永遠のベンチャー企業”であり続けています。これまでのコアビジネスをたどると、創業期はソフト流通業、1990年代半ばに入ると検索エンジンのヤフー、さらに2006年以降は携帯電話事業に乗り出し「ソフトバンク=携帯会社」のポジションを確立しました。将来を見据えて最近ではロボット事業にも力を入れています。

◆新しいタイプのクリエイター集団「チームラボ

勢いのあるベンチャー企業として知名度が高い「チームラボ」。クリエイター集団であり、在籍している職種は、プログラマーやエンジニアをはじめ、建築家、アニメーター、編集者など多岐に渡ります。単なるクリエイティブ・エージェンシーではなく、「デジタルテクノロジー×クリエイション」の 融合により、新しい感性のコンテンツを生み出しているのが特徴です。

◆家事代行サービスを日本で確立した「ベアーズ

日本の家事代行サービスの先駆けとなったベンチャー企業「ベアーズ」。家事代行は、東南アジア諸国では多くの富裕者層に利用されていますが 、日本では他人を家に入れることに抵抗感があるため、サービスとして確立していませんでした。代表取締役の髙橋健志氏は、海外生活で家事代行を目の当たりにした経験から、2000年初頭からサービスを開始。粘り強いPR活動と、安心して利用できるサービス体系を確立し、新たな市場をつくりました。

◆アメリカのeコマース発展をヒントに起業「オーマイグラス

リアル店舗でしか売れないというメガネ界の常識を破壊した「オーマイグラス」。通販でメガネが買えるという新しい消費スタイルを生み出しました。CEOの清川忠康氏は、スタンフォード大学に留学していた2010年頃、アメリカでeコマースが急成長する様子を実感。成長可能性のあるアイテムとして「メガネ」に焦点を絞り、短期間での成長を成し遂げました。

※これらの企業が先ほど解説した「ベンチャー企業の特色」の全項目にあてはまるわけではありません。

3.ベンチャー企業に向いている人材の特徴


ベンチャー企業と相性の良いタイプ、そのような人材がベンチャー企業に入社するとどのようなメリットがあるのかを中心に解説します。

3-1.ベンチャー企業に向いている人は?

ベンチャーで活躍する人材を一言で表現すると、「目的が明確で、主体的に学ぶ意欲があり、早期の成長を求めている人」の3つの条件にあてはまる方です。その一つひとつについて、くわしく解説していきます。

・条件1「目的が明確である」

個人のビジョンが明確な人は、ベンチャー企業で活躍できる可能性が高い人材です。たとえば、入社することで具体的にこのスキルを習得し、3年後に起業したいというような目標や計画です。こういった軸がなければ、多忙を極めるベンチャー企業では「酷使された」で終わってしまうこともあります。

・条件2:「主体的に学ぶ意欲がある」

ベンチャー企業では、大手企業や歴史のある企業のように、従業員を教育するシステムが確立していない環境が大半です。その分、日々の体験や実務から多くを学ぶことが出来ますが、主体性がなければ、リアルな体験からたくさんの知見を得ることは難しいでしょう。

・条件3:「早期に成長を求めている」

ベンチャー企業では、「入社したその日から」が即戦力です。新入社員研修はありますが期間が短く、現場の仕事を通して教育していく考え方が強い傾向があります。このような環境で「結果を出したい!」と意欲のある若手社員には大きな権限が任されます。責任ある仕事によってさらに成長が促され、早期の大きな成長が実現できるという好循環が生まれます。

これらの3つの条件に加えて「リスクを恐れずチャレンジし続ける」タイプの方もベンチャー企業に向いています。ベンチャー企業は組織自体が、「リスクを恐れずチャレンジし続ける」ことで成長し続けます。必然的に組織を支える従業員一人ひとりにもチャレンジ精神が求められます。「前例のないことチャレンジすることが喜び」というタイプの方にとってベンチャー企業は能力を活かしやすい環境です。

3-2.ベンチャー企業に向かない人とは?よくある勘違い

ベンチャー企業に向いていない人にも軽く触れておきます。
ベンチャー企業では裁量権が大きい分、自分で判断する局面が多くなります。そのため、「決断力のない人、優柔不断な人」はベンチャー企業には向いていないでしょう。「指示待ち人間」も向いていないタイプです。限られた人数でスピード勝負をしているベンチャー企業では、丁寧に指示してくれる上司がいないこともしばしばです。

また、よくある勘違いが、ベンチャー企業へ転職すれば(あるいは有名大学からの新卒入社)、年収が増えるといったものです。あくまでも、ベンチャー企業は、結果に対してのリターンを重視する環境です。1円も稼いでいない人に高給を保証してくれるほど甘くはありません。「いったん年収が下がることも許容できる方」でないと難しいでしょう。

3-3.ベンチャー企業を選択した時のメリット


ベンチャー企業向きの人が、実際に入社した時の「将来的なメリット」は次のような内容が考えられます。

・若くして部門長になれる

急成長中のベンチャー企業では部門や支店が増えるため、それに伴って部門長や支店長などのポジションがたくさん生まれます。結果を出している社員は年齢が若くても抜擢されるケースが多いです。

・子会社の社長や幹部になれる

部門長のポジションで大きな成果を出した人材は、子会社の幹部になれる可能性もあります。ベンチャー企業が成長して子会社を設立する時、生え抜きの社員を配置するケースも少なくありません。

・ストックオプションが手に入る

株式公開を目指しているベンチャー企業も多く、上場を実現した時、ストックオプションによって幹部や社員が大きな富を手にできるチャンスがあります。ストックオプションとは、ある条件が成立した時に、従業員が予め決まった額で自社株を買える権利のことです。多くの場合、従業員へのストックオプションは会社が上場した時に設定されています。上場後、株価が上がれば従業員は利益を得られます。

いずれにしても、これらは今すぐリターンが得られるメリットではなく、「将来的なメリット」です。会社と個人の成功を信じて、日々の業務を邁進し続けた一部の人だけが得られものです。

3-4.ベンチャー企業に就職するには?

ベンチャー企業の就職活動では、会社説明会や早い段階の面談から代表取締役や幹部が参加するケースが多いです。これは大企業に比べて採用で不利な面があるからです。トップと接することのできる場では「会社のビジョンに共感できるか」に注目してコミュニケーションしましょう。

・Goodfind(https://www.goodfind.jp/

Goodfindのコンセプトは「10年後のエクセレントカンパニーを探す」です。掲載企業の経営者や起業家が持っている知見(スキル、マインド、業界傾向など)をセミナーで学ぶのがファーストステップです。このセミナーを就活生が受講することで、結果的にその企業の本質が理解でき、ミスマッチのないマッチングが可能になります。

・パッションナビ(https://www.passion-navi.com/

「ベンチャー企業志望の就活学生1万人と社長を繋ぐ」がスローガン。熱い情熱をもったベンチャー企業の経営層とダイレクトに出会うことができます。パッションナビでは、年間80本以上のリアル企画を実施。就活支援イベント、採用直結型イベントなどを開催しています。

・シンアド(https://syn-ad.com/

ベンチャー企業専門の媒体ではなく、広告・デジタル・PR業界に特化した求人メディアです。掲載企業の中にはベンチャー企業も多い傾向があります。キャリアアドバイザーが全員、業界出身者だったり、独自の交渉ルートを持っていたりするこのメディア独自の魅力で内定を獲得します。

・Wantedly(https://www.wantedly.com/)

従来の書類選考型ではなく「企業と求職者が直接会うこと」を重視した新しいタイプの求人メディア。本格的な求人の前段階のまずはいろんな会社の人と会ってみたいという人も多く利用しています。利用企業は、単なる求人ページで終わるわけではなくブログ更新などの広報も行うので、企業の雰囲気が詳しくわかります。

4.まとめ

ベンチャー企業に関して理解はできましたか?
就職するという視点でベンチャー企業を見てみると、安定性、福利厚生の充実度、教育システムなどを重視する方にとってはデメリットが大きいです。
これに対して、スキルアップや管理職を早くから体験したい方にはメリットが大きくなります。相性がはっきりしているため、適性を慎重に見極めた上で選択することが重要です。自分のタイプや理想の働き方、目標などを再確認し、自分にベンチャー企業が向いているのかじっくり考えてみましょう。